死刑だけじゃない

現実から考えると、お上が生殺与奪の権利を持っているということなのだろう。
お上が人を殺すのは死刑だけではない。5月には、「刃物持った男に発砲 腹部に命中、搬送先で死亡 さいたま市」というニュースがあった。「同署は『被疑者が亡くなったのは残念。現時点で拳銃使用については適正な職務執行であったと考えている』とコメントしている」とのことだ。 裁判のような手続きもなく、現場の判断で殺されても、それは適正な職務執行の結果なのだ。お上が生殺与奪の権利を持っているのであれば当然だ。
「北九州方式」とは生活保護の申請を受け付けない、申請させないものだが、厚労省も推奨していたらしい。北九州市の「おにぎり食べたい」と書き残して餓死した人(これは保護を打ち切られたケースだが)、札幌市の病死、凍死した姉妹のことは記憶にあるだろう。最低限の生活を保証するのは国や地方自治体の義務ではなく、お上のご慈悲だと思っているのだろう。お上が生殺与奪の権利を持っているのでなければ、保護を必要とする人々を見殺しにする、あるいは死に追いやることはできないだろう。
現実から考えると、お上が生殺与奪の権利を持っているのだ。