無罪請負人

弘中惇一郎「無罪請負人」を図書館で借りた。
序章で「ある冤罪事件」が取り上げられていた(冤罪といっても、控訴審で逆転有罪となりその後有罪が確定した事件で、弁護人が冤罪だと主張しているだけだが)。本文では、被告人は「Qさん」、控訴審の裁判長は「裁判長」なのだが、鑑定を担当した医師は実名だった。その医師の鑑定には問題が多いそうだが、わざわざ実名を晒す必要があるのだろうか? うーん、なんだかなぁ…
その後は拾い読みしただけだが、武富士の創業者である元会長の代理人としてメディアを名誉毀損で訴えたことに触れた部分で、元会長と「マスコミを比べれば、マスコミのほうがはるかに強者です」「弱者と強者というのは簡単に分けられません」という記事を月刊誌に掲載したと書かれていた。いや、あれはジャーナリストに多額の損害賠償(1億1,000万円?)を請求したスラップ訴訟だろう。武富士側が強者だろう。そして、民事のことだと思って読んでいると盗聴事件の刑事事件にすり替わっていて、国家 vs. 個人の関係で弱者だと印象付けようとしている。
弘中弁護士はちょっと信用できないなぁ、という印象だ。


名誉毀損訴訟の請求額を確認するために検索したのだが、「スラップ訴訟請負人」なんて書かれていてちょっと笑った。(請求額、5,000万円という情報もあった。個人に5,000万円、会社に6,000万円かもしれない)