ツール・ド・北海道

事故現場が吹上露天の湯(吹上温泉)の付近だった。今まで何度も通行した道だったので気になってその後も報道やSNSなどをチェックしていた。

 

吹上温泉を朝イチで利用するために夜明け前に移動していれば交通規制の看板を見落とすこともあるだろう。吹上温泉の駐車場でまったりしているうちに規制が始まり、そのことに気がつかずに駐車場から出てしまうこともあるだろう。最初はそう考えて、自動車の運転手はそれほど悪くないと思っていた。

 

続報で自動車は吹上温泉の駐車場で待機していたのではないとわかったが、そもそも、規制が始まった時点でコース上及び周辺駐車場に車両がないか確認しなかったのであれば主催者の責任が大きいのではないか。また、事故現場は山岳ルートであって平坦な直接コースではなかったので、自動車は徐行ではなかったとしてもそれほどスピードは出ていなかっただろう。大きな事故になったのは、時速70kmでカーブを曲がろうとした競技者の責任が大きいのではないか。もしかすると接触を避けるためにやむを得ず右側車線に出てしまったのかもしれない。そうだとすると、右側車線のみ通行という設定自体に無理があったのかもしれない。しかし、それにしてもスピードを出し過ぎだろう。主催者も競技者も責任が大きいのではないか。そんなことを考えた。

 

さて、「大会本部は競技要項や前日の監督会議で『片側1車線通行が原則。規制区間でも車線をはみ出さないよう、何度も伝えてきた』と強調」したそうだ。悪いのは競技者だという印象を受けるが、テクニカルガイド<https://www.tour-de-hokkaido.or.jp/files/information/160/2023_technical.pdf>を確認すると、「25. 安全走行 原則として,競技のために占用できる道路の幅は左側1車線のみなので,競技者と全車両の運転者は,許された区間以外は左側車線の通行を厳守しなければならない」と書かれている。たしかに原則は左側車線のみの通行だが、右側車線の通行が許された区間があったようだ。もしかすると競技者は事故現場付近を「許された区間」だと誤認したのではないかと考えて「許された区間」について調べたが、テクニカルガイドのどこにも見つけることができなかった。ネットで検索すると「例外として、リアルスタート直後の数km、フィニッシュ前、山岳賞、ホットスポットが設定された地点の前後、補給地点前後などは、1kmほどの距離が対向車線も含め規制され、道幅の狭い区間(センターラインのない道など)も全面規制される」という情報があった<https://www.cyclowired.jp/news/node/386488>。どうやら誤認の可能性はなさそうだ。

しかし、「許された区間」についてもし本当にテクニカルガイドに書かれていないのであれば、ずいぶん杜撰だと思う。それともテクニカルガイドってそういうものなの?