そば清

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桂文楽の「明烏」、甘納豆を食べるしぐさが評判で寄席の売店の甘納豆が売り切れになったという伝説がある。

元々は上方の「蛇含草」である「そば清」だが、東京で食べ物が餅から蕎麦に改変されたのは蕎麦を食べるテクニックを見せるためだったのだろうか。寄席の近所の蕎麦屋が軒並み売り切れになるほどの名人はいたのだろうか。

さて、金原亭馬玉の「そば清」。ラジオ番組で聴いただけなので客をその気にさせる芸が馬玉にあるのかないのかわからない。しかし、マクラで蕎麦打ちについて「汗なんかぼたぼたぼたぼた垂れましてね。この汗がいいつなぎになるんだそうですよ」、「蕎麦を伸ばそうってんで、あの長い棒を取り出すわけですな。プップッってね。唾だらけでございます。この唾がいい出汁になるんだそうです」なんて言っているために、蕎麦を食べたいという気持ちにはならないんじゃないかな。

蕎麦打ちでは汗がいいつなぎになる、唾がいい出汁になるって不快なだけで笑えないけど、東京の人にはおもしろいのかな。