ABC予想

ABC予想について解説した新聞記事に「a、b、c の組は『たかだか有限個しか存在しない』とする予想」と書かれていた。数学で使われる「たかだか」は、日常生活で使われる「たかだか」とはその意味が違うのだろう。しかし、もし違いがあるのなら、説明もなくそのまま新聞紙上に引用するのはいかがなものか?
wikipedia には「英語の at most に対応した厳密な意味を持つ学術用語である。 『多くとも』、『以下』と同義」とあるのだが、多くとも有限個と言い換えてもなんだかわからない。また、wikipedia には「『高々有限個』は『有限個あるいは0個』であることを意味する」… これって、「多くとも」でも「以下」でもないような気がする。 さらに「0も有限の値であるから、単に『有限個』あるいは『無限個ではない』と言うのと同じ意味であるが、0個の場合もあるということを明確に示したい場合に『高々有限個』という表現が好まれる」とあるのだが、同じ意味であればよりシンプルな表現を選ぶのが数学者というイメージがあるのでなんだかちょっと騙されたような気分になる。有限個と言われて0個の場合を想定しない、あるいは必ずしも明確でないと考える数学者がいるなら別だが。