下士官兵ニ吿グ

下士官兵ニ吿グ
一、今カラデモ遲クナイカラ原隊ヘ歸レ
二、抵抗スル者ハ全部逆賊デアルカラ射殺スル
三、オ前達ノ父母兄弟ハ國賊トナルノデ皆泣イテオルゾ
二月二十九日 戒嚴司令部


国賊は国家にあだなす者、逆賊は天皇にあだなす者、というイメージがあった。相手を殺す場合でも、国家にあだなす者は軍法会議などの手続きを経て死刑、天皇にあだなす者は現場で射殺、ということだと思っていた。2月29日に思い出して読み直すと、単純に、抵抗する=逆らう、だから逆賊、という気もする。当時の国民はどのような感覚だったのだろうか?
武装した相手が抵抗するのであればこちらも躊躇なく武器を使用するというのは理解できるが、いきなり射殺するというのは乱暴だ。戒厳令が敷かれていたにせよ、理屈の上では目的と手段がバランスしている必要はあるだろう。警察比例の原則だ。それとも戒厳令は例外なのか?

というわけで、大江志乃夫「戒厳令岩波新書 1978年を図書館で予約したのだが、新型コロナウイルスの影響で休館、さらに延長で27日以降でないと受け取れない。こんなに時間がかかるとモチベーションが維持できずに借りても読まないかもしれない。