フィボナッチ

リンゴが木から落ちるのは物理法則によるものだが、株価はそうではない。市場は投資家の心理が支配している。多くの投資家が意識する株価の心理的節目は存在するだろうし、売られすぎ、買われすぎと感じるレベルも、ぴたりと一致するわけではないが、ある程度は重なっているだろう。とはいえ投資家の心理を数値化することも簡単ではないだろう。あれこれ捻り回して株価の変動を説明できそうなパターンを発見した結果がテクニカル分析だと思っている。

「RSIは、過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計を、同じ期間の上げ幅の合計と下げ幅の合計を足した数字で割って、100を掛けたものです。いくら値上がり、値下がりしたかはRSIでは判断できません。数値は0~100で表され、一般的に70~80%以上で買われすぎ、20~30%以下で売られすぎと判断されます」と説明されると、絶対視はしないが、まぁそんなこともあるだろうとは考える。

しかし、だ。フィボナッチ・レシオ、美しいと感じる黄金比を投資の判断に取り入れようとする考え方がある。61.8%、38.2% を目処にしようというのだ。「マーケットでこの比率が使われる理由としては、株価というものは森羅万象あらゆるものを織り込むものといわれ、そのすべてを織り込むものであれば株価の動きもこの自然界の美しい形、つまりはフィボナッチ・レシオで表すことができるのではないか、ということが考えられます」と説明されると、うーん、ちょっとなぁ… それってもう「神秘の数字」じゃないですか?