キタキツネの英名は Ezo red fox らしいが…

北海道にはエゾ◯◯と名付けられた動物が多いが、エゾキツネはいない。キタキツネだ。キタキツネは北海道ならではというわけではないのかもしれない。大陸と陸続きだった頃にやって来たクマやリスは北海道が孤立した後に亜種となったが、キツネは比較的最近になって流氷にでも乗ってやって来たため亜種として差異が生じるほどの時間が経過していないのかもしれない。

「キタキツネは、北半球に広く分布するアカギツネの亜種。日本では北海道・樺太および周辺島嶼に生息する」ウィキペディアの記事だが、北半球に広く分布するのはキタキツネなのかアカギツネなのか? 常識的に考えればアカギツネだと思うが、わざわざ「日本では」と書いているので日本以外の北半球でもキタキツネが生息していそうだ。やはりキタキツネは新参者なのかもしれない。でも、樺太は日本?「北海道、樺太および周辺島嶼に生息するキタキツネは、北半球に広く分布するアカギツネの亜種」と理解すべきだろうか?

「名称『北狐』は、1924年に岸田久吉が樺太に生息する本種に対して命名したものだが、その後に北海道と千島列島南部に生息する本種も『北狐』と呼称されるようになった」と書かれているので、北半球に広く分布するのはアカギツネだな。キタキツネは流氷に乗ってやって来たわけではないようだ。

ウィキペディアによると岸田久吉は「哺乳類学者としては、エゾオオカミ・キタキツネ・エゾナキウサギ・ホンシュウジカ等の命名をおこなっている」そうだ。オオカミ、ナキウサギはエゾなのに、なぜキタキツネはエゾではないのだろう。岸田は、樺太蝦夷地ではないという認識だったのだろうか。

樺太サンフランシスコ講和条約で放棄したが引渡し先が明記されておらずソ連も条約を批准しなかったため国際法上は国境が未確定らしい。